人類は長い間鉄を使ってきた。鋳鉄匠とはこの鉄を溶かして各種器物を作る匠人のことである。韓国で鋳造物を使い始めた時期はおおよそ紀元前6世紀~5世紀頃と推定され、文献資料としては『三国志』の「魏志東夷伝」に鉄が生産され、売買された記録が残っている。人類文明の発達において鉄は非常に重要な役割を果たしたため、古代から鉄を利用して必要な物を作る技術とその匠人は国家的な関心事であった。また、朝鮮半島に仏教が伝えられることによって寺刹が建立され、これに伴い多くの梵鐘が製作されたが、このように鉄を溶かして梵鐘をはじめとした各種鉄の製品を作る匠人を鋳鉄匠と言う。梵鐘の製造方法は鐘の大きさより少し小さい煉瓦を積んだ後、この煉瓦にカオリンと粘土を混合して鐘の形に作る。次に表面を磨いて、水でこねた黒鉛の粉で仕上げる。次は、蜜蝋で鐘の模型を製作し、ここに鋳物砂を蜜蝋の表面に二回塗る。その後蜜蝋を溶かし、製作された外形と内形を組み立てて鋳造することで鐘は完成する。