絹は蚕の繭から作った絹紗で、織った模様のない平織りの織物である。一般的に絹紗で作った絹織物を「絹」と呼んでいるが、絹紗の種類や細職及び模様などによって多くの種類に分けられる。韓国における養蚕はそれに関する記録が古朝鮮時代から見られるほど長い歴史がある。新羅時代には精巧な織物を唐に送るほど繊細で高い技術を持っていた。高麗時代にはより質のいい絹織物が生産され、朝鮮時代には種類が多くなり、色と品質によって名前が付けられるようになった。そのうち、絹が最も多く生産され、日常的な生地として使われた。製作方法・製織状態・産地・原料などによってそれぞれ違う名前で呼ばれたが、最近になって絹という名前で総称されるようになった。かつては全国各地の家庭で機で絹を織って自給自足したが、朝鮮時代後期以降には改良式機織機で製織するようになり、従来の絹織りは急速に衰退するようになった。しかも、今は派手な絹織物に押されて絹の需要が少なくなり、かすかにその命脈だけを保っているのが現状である。これによって、絹の製作技術に関する伝統を継承するために星州ドゥリ糸の絹織りを重要無形文化財に指定したが、前技能保持者である曺玉伊氏の死後、技能保持者は現在認定されていない。