この本は朝鮮世宗28年(1446)に新たに創製された訓民正音を、王の命令で鄭麟趾などの集賢殿学者たちが中心になって作った漢文解説書である。書名を文字の名前である訓民正音と同じく『訓民正音』とも言って、解説が付いているため『訓民正音解例本』または『訓民正音原本』とも言う。全巻33帳1冊の木版本である。『世宗実録』によれば、訓民正音は世宗25年(1443)に王が直接作って、世宗28年(1446)に頒布したことになっているが、この本で序文とともに鄭麟趾が作ったという解説を初めて知るようになった。またハングルの製作原理もはっきりと示されており、国内に唯一残っている本である。